藤田大介(NIMS)、小柳光正(東北大学)、マーク・スキャネル(CEA-Leti)、福島 伸(東芝)、川喜多仁(NIMS)、 青柳昌宏(産業総合研究所)、重藤暁津(NIMS) 、松川 貴(産業総合研究所)、内田 建(慶應義塾大学)、浅野種正(九州大学)、知京豊裕(NIMS)

会場

日仏会館ホール

定員

130

参加費

一般 5.000円(資料代込み) 主催共催団体会員無料

言語

英語

主催

日仏工業技術会  在日フランス大使館

共催

(公財)日仏会館

協賛

CEA-Leti (独)物質・材料研究機構

参加登録

日仏工業技術会  sfjti@t3.rim.or.jp Tel:03-5424-1146 www.sfjti.org

集積回路の歴史を振り返ると、プロセス技術・材料に関して、我々は10年毎に大きな変化を経験してきた。しかし、一貫していたのは微細化傾向である。この集積化技術により、集積回路は高速化と低消費電力化を両立することができた。しかし、最近ではこの微細化は10nm以下となり、製造コストの上昇とともに微細化を進めてきた路線にも変化がみられる。
微細化に代わる集積化技術として注目されているのが、三次元化技術である。イメージセンサーではすでに三次元化や採用され、NANDフラッシュメモリやDRAMでもすでに三次元化の試みは進められている。将来はロジックデバイスやメモリなど機能の異なるデバイスの三次元し、一つのデバイスとして機能させる「異種接合型デバイス」が出現するとされている。この異種接合型デバイスは将来、移動通信や自動運転、人工知能を実現するデバイスとして期待されている。
このデバイスでは、機能の異なるデバイス間の信号伝達を効率的に行うために、配線の距離を短くする三次元配線が検討されている。特に、Si基板に貫通する微細な穴を開け、そこに配線を施すThrough Si Via(TSV)は注目の技術である。しかし、基板の特定の位置に正確に穴を開け、そこを銅などの配線材料で完全に満たし、積層されたデバイスの電極間を一様につなぐことは容易ではない。重要な技術開発は微細な穴を正確に開ける方法と配線材料、配線の接合、また、信号伝達方式などの技術開発である。
このワークショップでは、三次元デバイスに求められる性能や市場性を議論し、それらを実現する要素技術としてのエッチングや配線、接合、信号伝達などに関する最近も研究を紹介する。これらの研究紹介を通じて、三次元集積回路の課題と今後の展開を議論する。

 

 

 

基調講演:

小柳正光 博士

1974 東北大学 博士( 工学研究科 電子工学 修了)
1974-1980 株式会社 日立製作所 中央研究所
1980-1985 株式会社 日立製作所 デバイス開発センター
1985-1987 米国ゼロックス社 パロアルトリサーチセンター
1988-1994 広島大学集積化センター 教授
1994-1997 東北大学 教授(工学部)
1997- 東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授半導体工学、集積回路工学、計算機工学と脳神経科学とを融合した新しい学際的融合領域の構築を目指して、脳や神経系における情報処理アルゴリズムを取り入れた低電力で高性能の新しい半導体デバイスや集積回路、スーパーチップ(3次元集積回路)、ニューロ・マシン融合デバイス(νBMD)、生体埋め込み用デバイス、ブレイン-マシン・インターフェイスなどの研究を行っている。これによって、人間の脳や神経系に関わるデバイス技術や情報技術、ロボット・制御技術をベースとした新しい産業を創製することを目指している。また、これらの技術を駆使して、脳および神経系を中心とした新しい診断医療技術の発展に貢献することも目指している。