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1931年、パリ郊外で開催された国際植民地博覧会はフランスの植民地事業の偉大さを誇示するものでした。アルベール・サローの著書『植民地の偉大さと隷従』はこの博覧会に合わせて出版されたものです。植民地大臣を務めたサローはインドシナ植民地の連邦総督を二期に亘って務めた人であり、植民地現地での諸問題を熟知した人として第三共和政期のフランスを代表する植民地理論家でした。
サローの著書タイトルにある「隷従」とは何を意味しているのでしょうか。その意味を検討してみると、植民地支配に伴う困難のみならず、諸矛盾が見えてきます。フランス領西アフリカ植民地を通して、植民地支配の根本的な矛盾について考えます。
参考図書: アルベール・サロー『植民地の偉大さと隷従』小川了 訳、東京外国語大学出版会、2021年
小川 了(おがわ・りょう)
1944年生。東京外国語大学名誉教授。西アフリカ、セネガルを中心にした民族学・歴史を専攻。著書に『第一次大戦と西アフリカ フランスに命を捧げた黒人部隊「セネガル歩兵」』(刀水書房、2015年)、その他。
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