もともとはルイ13世が狩の休憩のために建設した小さな城館だったヴェルサイユは、太陽王ルイ14世の手によって絶対王政の象徴ともいえるヨーロッパを代表する大宮殿となった。その契機となったのが、1668年から行われた「新城館」の増築である。本講演では、新城館内の「国王のアパルトマン」と呼ばれた一連の広間の天井に描かれた絵画主題を鍵として、新城館の設計手法・設計過程を推測しながら、宮殿設計が一部の建築家や芸術家だけではなく様々なレヴェルの人々が関わっていたことを浮かび上がらせていく。
【フランス文化講演シリーズ(第245回)】ヴェルサイユ宮殿新宮殿の設計方法-天井画と広間の間取をめぐって-
2010-01-26(火) 18:00 - 20:00
中島 智章(工学院大学工学部建築学科・准教授)
会場
日仏会館ホール