北村 卓(大阪大学大学院言語文化研究科教授)

会場

日仏会館ホール

近代以降の日本において、フランスのイメージがどのような歴史的経緯を経て形作られ、今日に至っているかを考えるとき、フランスの文学、芸術、映画、シャンソンなどと並んで、宝塚歌劇が果たしてきた役割は大きい。宝塚歌劇は『モン・パリ』から『ベルサイユのばら』に至るまで、一般の日本人が抱くフランスのステレオタイプ的なイメージ(麗しの国フランス、花の都パリ)を一貫して強化し続けてきたともいえる。本講演では、宝塚歌劇の歴史をたどりつつ、日本の文化的土壌を背景に「フランスのイメージ」がいかに生み出され、どのような変容を加えられてきたのかについて、映像もまじえながら論じたい。