日仏両国は、原子力の分野で共に世界をリードする立場にある。二国間の協力は密接なものがあり、いくつかのチャンネルを通して交流が行われてきた。現在は主としてエネルギー分野においての協力が中心で、産業界や研究機関の間では、定期的な情報交換や、技術協力が実施されている。
このたび、日仏工業技術会は、在日フランス大使館、(社)日本工学アカデミー及び(独)日本原子力研究開発機構などとの連携のもとに、日仏間での原子力フォーラムを開催することになった。このフォーラムは、課題の中心を従来行われてきた分野と重複することを避け、放射線利用、環境、安全、PA、廃棄物処理などに重点を置き、相互の交流、協力を推進することを目的としている。エネルギーと放射線利用および両者に共通する環境、安全、PA, 廃棄物処理など、総合的に原子力分野の協力を推進することは、両国にとって極めて重要であり、意義あるものと思われる。またフォーラムでは、二国間の協力について、その歴史を振り返り、現状を再確認し、将来への展望について議論する予定である。今後、二国間の交流、協力を進め、さらに世界の原子力平和利用に寄与することに対して、このフォーラムの果たす役割は大きいと考えている。【実行委員長 田畑米穂(東京大学名誉教授・元日本原子力委員会委員)】