野中 尚人 氏(学習院大学法学部教授)

会場

日仏会館ホール

日時 2010年5月18日(火)18時(17時30分開場)
場所 日仏会館ホール(定員120名、先着順)
参加費 1,000円(学生500円、会員無料)

 
 
  政治主導の問題は、裏返せば政官関係のあり方に大きく左右されている。鳩山政権が掲げる政治主導への取り組みを、政官関係に注目しながらフランスと比較すれば、どのような評価になるだろうか。
 閣議決定にいたる政府・与党の意思決定のあり方、国会審議での大臣答弁のパターンや政治的討論のあり方などは、日本とフランスを比較するとかなり大きな相違がある。また、大臣の補佐集団を見ても、フランスの大臣官房と日本の仕組みは全く異なっており、さらに言えば公務員と政治家との垣根に関わる制度にも根本的な相違がある。
 全体として、エリート主義的な政官融合のフランスと、分権的で行政官僚の自律的な役割を維持してきた戦後日本が対比されることになる。

 

  
<講師プロフィール>
 野中 尚人 氏(学習院大学法学部教授)

 東京大学国際関係論専攻博士課程修了。博士(学術)。現代日本政治ならびにフランス・イギリスなどとの比較研究を専攻。パリ第Ⅰ大学、オックスフォード大学での在外研究などを経て、現在、学習院大学法学部教授。
 著書に『自民党政権下の政治エリート-新制度論による日仏比較-』(東京大学出版会)、『自民党政治の終わり』(筑摩書房)、共著に『政治過程の比較分析-フランスと日本-』、『公務員制度改革』などがある。