フランス語・逐次通訳つき / 定員120名 / 要事前予約
【主催】公益財団法人日仏会館、日仏会館フランス事務所
【後援】財団法人渋沢栄一記念財団、日本仏学史学会、読売新聞社
ジョルジュ・クレマンソーと日本の関係は美への憧憬、民主主義に対する信条、外交的野心の3つに彩られている。これは、フランスの国家元首が極東の政治、外交、宗教そして芸術に興味を持つという非常に特別な関係であるといえる。日本とクレマンソーとの関係は何よりもまず親密で審美的なものであった。「虎」と呼ばれたクレマンソーは西園寺公望の友人であり、有力な収集家として日本美術に賞賛の念を惜しまなかった。また、国会議員でありジャーナリストでもあった彼は日本の近代化と民主化を好意的に見守り、東アジアの優れた観察者としては19世紀末に大日本帝国が出現した地政学的重要性をいち早く理解していた。1907年には首相として日仏間の外交関係を緊密にするとともに三国協商のアジアにおける地盤を固めたが、第一次世界大戦ではその強みと限界が露呈することとなった。
Matthieu SÉGUÉLA
東京国際フランス学園教員、日仏会館協力研究員。ヨーロッパ史の専門家として出発し、1992年にはAlbin Michel 社よりPetain-Franco を出版、現在は日仏関係を研究している。パリ政治学院で博士号を取得し、2012年にはクレマンソーと極東に関する博士論文で渋沢クローデル賞を受賞。2014年にギメ美術館で開催される展覧会La tentation de l’Orient, Clemenceau et l’Asie(東洋の誘惑、クレマンソーとアジア)の監修者の1人でもある。