絶対王政を確立したルイ14世の時代は、コルベールによる新たな都市づくりが試された時期でもあります。フランソワ・マンサール、ルイ・ルヴォー、ジュール・アルドゥアン=マンサールなど大建築家が跳梁跋扈し、ルーヴル宮殿、アンヴァリッドなど幾多の造営工事が進められました。都市計画という観点からは、ブールヴァール(並木道)や国王広場といた新たな都市空間が整備され、世界に対して新たな都市モデルを提供することになります。本講演は、17世紀から18世紀にかけてのパリの変貌を、建築と都市という観点から切り取り、現代にまで連なる西欧型の都市造形とその仕組みについて解説することになります。
三宅 理一
1948年生まれ、東京大学卒業後、パリ・エコール・デ・ボザール卒業。工学博士。芝浦工業大学、リエージュ大学、慶應義塾大学、パリ国立工芸院で教鞭をとり、現在、藤女子大学副学長。建築史、地域計画、遺産学を専攻。主要著書として「パリのグランド・デザイン-ルイ14世が創った世界都市」(中央公論新社、2010)、「フランス・デザイン・クロニクル1950」(六耀社、2012)など。日仏学術交流の業績に対してフランス政府より学術教育功労勲章(オフィシエ等級)を授かる。