かつての「ローマ賞」、現在は「ヴィラ・メディチ」と一般に呼ばれているアーティスト・イン・レジデンスは、300年間以上続くフランス国家のアーティスト支援システムです。アングル、フラゴナール、ドビュッシー、グノーなど多くの芸術家が滞在したヴィラ・メディチは、ローマにある豪壮な邸宅ですが、今でも芸術の様々な分野から十数名のアーティストが選抜され、滞在しています。2013年秋より2014年8月まで、日本人でありながらヴィラ・メディチの滞在を経験した関口 涼子氏を招き、レジデンスの歴史、実際、また「ヴィラ・メディチ」の存在がもたらす効果、フランスがこのシステムを続ける意義などについてお話しいただきます。
関口 涼子(作家、翻訳家)
1970年東京生まれ。17歳で現代詩手帳新人賞受賞。東京大学比較文学比較文化博士課程単位取得退学。1997年からパリ在住。フランス語と日本語で創作活動を行う。近年は味覚と文学をテーマとした執筆活動をフランス語で行っている。主な著作に Ce n’est pas un hasard (POL), L’astringent (Argol), Le Club des gourmets et autres cuisines japonaises (POL)など。文芸翻訳、マンガの翻訳も多数。2012年フランス芸術文化勲章シュヴァリエ受賞。2015年1月に『素晴らしきソリボ』パトリック・シャモワゾーの邦訳を河出書房新社より刊行予定。