澤田 直 (立教大学、日仏会館)、岡田 温司(京都大学)、吉田 裕(早稲田大学)、松浦 寿夫(東京外国語大学)、郷原 佳以(関東学院大学)、小林 康夫(東京大学)、司会: 澤田 直(立教大学) 

会場

日仏会館ホール

日仏会館会員: 無料、一般: 1.000円、学生: 500

 

定員: 120名 (先着順)/ 要事前予約

 

主催: 公益財団法人日仏会館

 

 

要事前登録: 日仏会館ウェブサイトのトップページの「イベント参加登録」からアカウントを作成し、事前申し込みをお願いいたします。インターネットを利用していない方 はファックス(03-5424-1200)または電話(☎ 03-5424-1141)にて参加登録をお願いいたします。

 

 

フランス現象学以降、イメージの問題がどのように展開し、どのような問題を提起しているのかを検討しようというのが本講座の趣旨である。20世紀のフラン ス哲学には、ベルクソン、バシュラールから、サルトル、メルロ=ポンティをへて、バルト、さらにはドゥルーズ、フーコー、デリダにいたる豊かなイメージ論 の系譜がある。哲学者が、美術に語ることは、それまでにも多くの例があるが、20世紀後半以降になると、美術は哲学(者)にとって特権的な場所となり、哲 学者たちは、美術史家たちとは異なる視点から、積極的に美術にアプローチするようになった。ラスコーの壁画から、マネ、セザンヌ、シュルレアリスム絵画な ど、視覚を革新してきた画家たちに対して、哲学者たちは果敢な読解を挑んでいるが、その試みは、概念を中心とする哲学的思考からの脱却と軌を一にしてい る。本講座で取り上げる予定の主な哲学者と画家は、バタイユ、サルトル、ブランショ、メルロ=ポンティ、ジャン=リュック・ナンシー、キリスト教美術、マ ネ、セザンヌ、ジャコメッティ、ニコラ・ド・スタール、ミケル・バルセロなど。

 

 

プログラム

1300  澤田直(立教大学・日仏会館)

本講座の趣旨説明・講演者の紹介 「現代フランス哲学とイメージ」

 

1320 岡田温司(京都大学教授)

「イメージのエコノミー――神学の脱構築とイメージ論」

 

1400 吉田裕(早稲田大学)

「マネはバタイユによってどのように読まれたか?――聖なるものの行方」

 

1440-1510 コーヒーブレイク

 

1510 松浦寿夫(東京外国語大学)

「セザンヌと哲学者たち」

 

1550 郷原佳以(関東学院大学)

「ジャコメッティを見るサルトルとブランショ――距離について」

 

1630-1650 コーヒーブレイク

 

1650—1730 小林康夫(東京大学)

「絵画と(の)哲学」

 

17301830 全体討議

 

 

 

 

講師プロフィール

岡田温司(京都大学教授)

専門は西洋美術史、現代思想。著書『ミメーシスを超えて美術史の無意識を問う』『モランディとその時代』『マグダラのマリアエロスとアガペーの聖女』『芸術(アルス)と生政治(ビオス)現代思想の問題圏』『肖像のエニグマ新たなイメ-ジ論に向けて』など。

 

 

吉田裕(早稲田大学教授)

専門は、フランス文学、日本文学。著書『詩と絵画』『危機の中の文学』『これからの文学研究と思想の地平』『バタイユの迷宮』『バタイユ 聖なる物から現在へ』『ニーチェの誘惑』『詩的行為論』、訳書:バタイユ『異質学の試み』『物質の政治学』など。

 

 

松浦寿夫(東京外国語大学教授)

専門は美術史、現代思想。画家。著書『モデルニテ3×3』『絵画の準備を!』。訳書にティエリー・ド・デューヴ『芸術の名において デュシャン以後のカント/デュシャンによるカント』、ジャン・クレール『クリムトとピカソ、一九〇七年 裸体と規範』など。

 

 

郷原佳以(関東学院大学准教授)

専門はフランス文学。著書『文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論』、訳書にシクスー/デリダ『ヴェール』(単独訳)、デリダ『滞留』『散種』、ブランショ『ブランショ政治論集 1958−1993(共訳)など。

 

 

小林康夫(東京大学教授)

専門は表象文化論、現代思想、フランス現代思想、フランス現代文学。著書『無の透視法』『創造者たち 現代芸術の現場』『思考の天球』『建築のポエティクス』『青の美術史』『表象の光学』『ミケル・バルセロの世界』『存在のカタストロフィー』編著『美術史の7つの顔』など。

 

コーディネーター

澤田直(立教大学教授/日仏会館学術委員)

専門はフランス現代思想、フランス語圏文学。著書『〈呼びかけ〉の経験 サルトルのモラル論』『新・サルトル講義』『ジャン=リュック・ナンシー 分有のためのエチュード』、訳書にペソア『新編 不穏の書、断章』フォレスト『さりながら』『荒木経惟 つひのはてに』など。