日本国憲法の改正が声高に叫ばれるなか、憲法とは何か、立憲主義とは何か、いかなる意味で「危機」なのかについて考えます。日本国憲法制定過程の特徴(「押しつけ憲法」論、フランス人権宣言と自由民権運動との関係)、平和主義と憲法改正手続の比較憲法的検討など、フランス憲法史研究をふまえた広い視点から日本国憲法の特徴と現状を明らかにし、私たちが置かれている現実を照射してみたいと思います。
参考文献
*辻村みよ子『比較のなかの改憲論――日本国憲法の位置』岩波新書no.1466、2014年ISBN 978-4-00-431466-0
*Miyoko Tsujimura, “Le pacifisme et de la Constitution japonaise", sous la direction de J.Mekhantar et R.Portreilla, Paix et Constitutions, pp. 671-694,
Editions ESKA, 2015, ISBN 978-2-7472-2135-1
辻村みよ子
一橋大学大学院博士課程・同特別研究員(助手)、成城大学助教授・教授、東北大学教授を経て2013年から明治大学法科大学院教授。日本学術会議会員、全国憲法研究会代表等を歴任。現在、国際憲法学会理事・同日本支部副代表、日仏法学会理事など。
近著に、『人権をめぐる15講』・『ポジティヴ・アクション』・『比較のなかの改憲論』(岩波書店)、『憲法から世界を診る(講演録)』(法律文化社)、『フランス憲法入門』(三省堂)、『憲法(第4版)』・『選挙権と国民主権(近刊)』(日本評論社)など。