フランス料理、和食ともにそれぞれユネスコ無形世界文化遺産。最近、世界の食の雄たるフランスの、とくに観光地のパリの大衆レストランの味が落ちているという噂が絶えない。もちろん、星付きレストランは別。要はパリ庶民の味である街角のレストラン、ビストロ、カフェの食事がどこも似たりよったり、かつ中には不味いものさえある。そんな印象を持つ人が、パリをよく知る日本人の中で増えている。
そこでTMFでは、噂は本当か、あるいはパリのビストロなどの裏側で何が起きているのか、フランス食事情を知る人々とともに探り、考えてみるシンポジウムを開催する。タイトルは、パリ開放を記録した著名なノンフィクションのパロディ。しかし、議論内容はきわめて真面目なもの。パリにとどまらず、チェーン店化が進行する日本の食もまた、「金太郎あめ」現象を免れえない。まさに他人事ではありえないテーマを論じる。