佐藤 芳彦 (日本トランスポーテック取締役、元JR東日本)

会場

日仏会館ホール

定員

120

参加費

主催共催団会員: 無料、一般: 1.000円、 学生: 500円

主催

(公財)日仏会館

共催

日仏関連学会理系8学会医学会 日仏海洋学会 日仏工業技術会 日仏生物学会 日仏獣医学会 日仏農学会 日仏薬学会 日仏理工科会

1964年10月1日、東京~新大阪間を結ぶ夢の超特急(210km/h)として東海道新幹線が走り出した。ビジネスマンや旅人を乗せて、高度経済成長、オイルショック、バブル景気と崩壊等々、激動する時代を、日本の大動脈として半世紀走り続けた。その後、山陽、東北・上越、九州新幹線などが建設され、レールは北へ西へと伸び、東北新幹線では最高時速320キロメートルで高速運転している。

東海道新幹線の成功は、欧州諸国を中心とする世界の高速鉄道開発を刺激し、フランスでは1981年9月27日、初のTGV(Train à Grande Vitesse)がパリーリヨン間を、最高速度270km/hの高速運転で開始され、現在では320km/hで走っている。このTGVが最初に考案されたのは1960年代で、日本が1959年に東海道新幹線の工事を始めた直後である。しかし、新幹線以前に高速鉄道世界をリードしていたフランスは最近、高速仕様試験車でなんと570 km/h以上を達成し、鉄道先進国の復権を印象付けた。ドイツではICE(Intercity-Experess、1991年運行開始)が400km/h以上を達成している。何でも世界一を目指す中国では、世界の超特急の良いとこ取りでなんと一部の区間では350km/h で高速運転している。このように、世界では高速鉄道に対する関心は高く、各国での導入が考えられている昨今である。

この機会に、新幹線とTGVの比較検討、そして、夢の超特急の技術的な知識を習得するとともに、如何なる経緯で発想され研究・開発が為されたか、更なる有用性とこれからの輸送界の展望について考察したい。