内閣府が発表した最新の「ひきこもり」調査結果によれば、その数は約54万人に上り、若年層を中心に深刻な社会現象となっている。ひきこもりは韓国などアジアの先進国やヨーロッパ各国でも関心を集めている。フランスでは2008年ころから移民増加や貧困、不安定な雇用などを背景に社会活動に参加できない状態に陥った「ひきこもり青年」が問題化している。ひきこもりは個人の病理であるとともに現代社会のさまざまな歪みの現れでもある。本シンポジウムでは、日仏共同研究の成果を踏まえ、若者論にくわしい精神医学・心理学の専門家を講師として、ひきこもりの現状、その背景にある発達の病理や人間関係のあり方の変化を多角的に議論し、ひきこもり青年への支援の方略を探る。
プログラム
13:30-13:40 趣旨説明
13:40-14:10 講演1
古橋忠晃「フランスの『ひきこもり』青年の対処法・治療に関する研究」
14:10-14:40 講演2
照山絢子「発達障害と『ひきこもり』の関わり」
14:40-15:10 講演3
斎藤環「社会的排除としてのひきこもり」
15:10-15:40 講演4
香山リカ「ひきこもりと“ネトウヨ”」
15:40-16:10 講演5
鈴木國文「ひきこもりに何を見るか――精神科医療に求められること」
16:10-16:20 休憩
16:20-17:20 全体討論
17:20-17:30 閉会挨拶