人文社会学のなかで、民俗学/民族学は、叙事性を巡り今なお文学と密接な関係を保っているだけではなく、しばしば文学に影響を与える学問領域である。本シンポジウムでは、民俗学者、人類学者、文学者、歴史学者が議論を交わし、日本とフランスにおける文学と民俗学/民族学のこれまでの関係を多角的に比較検討する。これらの学問領域の相互関係に関する現状への理解を深めるとともに、未来に向けた展望を探りたい。
フライヤーはこちらからご覧いただけます
プログラム
4月21日(金)
13:45 開会の辞
ニコラ・モラール(日仏会館・日本研究センター)
1. 学問と文芸の交差
司会 渡辺公三(立命館大学)
14:00
「民族誌と文学の交差」
アルバン・ベンサ(フランス国立社会科学高等研究院)
「エクリチュールと倫理―『文化を書く』(1986年)のアフターライフ―
太田好信(九州大学)
15:30
休憩
2. 近代学問の成立以前に遡って
司会 ニコラ・モラール(日仏会館・日本研究センター)
15:45
「民間伝承の収集と近代国民文化の形成」(18・19世紀ヨーロッパ)
アンヌ=マリー・ティエス(フランス国立科学研究センター)
「近世国学の展望―古典と民俗の再発見―」
松本久史(國學院大學)
「戯作者の考証学―黄金期・元禄への憧憬―」
長島弘明(東京大学)
17:45
休憩
基調講演
司会 坂井セシル(日仏会館・日本研究センター)
18:00
「民俗学と文学をつなぐもの」
池澤夏樹(作家)
19:30
初日終了
4月22日(土)
3. 現地調査からテキストへ
司会 フランソワ・ラショー(フランス国立極東学院)
10:00
「旅の世界から生活世界へ」
福田アジオ(国立歴史民俗博物館名誉教授)
「平田国学と門人たち―江戸と地方―」
遠藤 潤(國學院大學)
「地誌のエクリチュール―近藤富蔵の『八丈実記』―
ジャン=ミシェル・ビュテル(日仏会館・日本研究センター)
12:00
ランチタイム
4. 民俗学/民族学と史料
司会 ダミアン・クニク(国立民族学博物館)
13:30
「他性の否認―ルネサンス期のブラジル探検記と近代フランス民族学―」
フレデリック・ティンゲリー(ジュネーヴ大学)
「郷土誌としての『遠野物語』―柳田国男における自然主義―
佐藤健二(東京大学)
「宮本常一の写実性」
岩田重則(中央大学)
15:30
休憩
5. 民俗学/民族学の文学性
司会 澤田直(立教大学)
15:45
「折口信夫―憑依の文学、憑依の民俗学―」
安藤礼二(多摩美実大学)
「人類学と文学―ローカル性と歴史的差異―」
ヴァンサン・デバンヌ(ジュネーヴ大学)
17:15
休憩
6. ラウンドテーブル
司会 ジャン=ミシェル・ビュテル(日仏会館・日本研究センター)
17:30
登壇者とのラウンドテーブル
18:45
閉会の辞
澤田 直(立教大学)