フランス映画は、いま、見えない流れのなかで変わり始めている。新たな監督たちとその手ざわり。発火点であると同時に中枢にいるともいえるカテル・キレヴェレの作品を通して、変化の時代を迎えているフランス映画のいまだ知られざる流れを紹介します。
フランス北部ブルターニュ地方の小さな町。夏休みを迎え、寄宿学校から実家に戻って来たアンナ(クララ・オギャルド)が経験するひと夏の時間のなかで、思春期の葛藤、最初の恋、母親との確執……言葉にしようのないさまざまな思いが刻まれてゆく……。
日本では正式公開されることがなかったカテル・キレヴェレのデビュー作ながら、各国で高い評価を得ました。フランス映画の新たな潮流を生み出しつつあるブリーヴの中編映画祭を盟友とともに立ち上げ、この映画祭から巣立っていった若い監督たちが、彼女とともになにかを変えつつあります。ギヨーム・ブラックやアルチュール・アラリ、エリエ・システルヌ……その発火点ともなったのが、本作でもあります。
『聖少女アンナ』(2010年/82分/フランス語)の上映の後に講演します。
画像 ©2010 Les Films du Bélier / Arte France Cinéma
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