パリ第一大学のピエール・セルナ教授はフランス革命史がご専門で、昨年『獣のように-革命における動物の政治史(1750-1840)』を刊行されました。新種の羊のフランスへの導入、獣医の養成、政治における動物の表象など、動物をめぐる革命期(およびその前後)の政治を広く取り扱った著作ですが、その中で、革命期に創設された自然誌博物館の付属施設である動物園についても考察されています。フランス革命の最中には共和国にふさわしい市民の育成が新たな課題となりますが、それは動物の馴化や品種改良の問題と重ね合わせて考察されることになりました。家畜の改良に用いることのできる技法は人間にも応用可能ではないかと考えられることもあれば、共和国にふさわしい性質の動物を育てることが動物園の課題と考えられたこともあります。今回の講演会は、セルナ教授の最新の研究成果を教授ご自身に説明していただくために企画されました。講演時間は約90分で、休憩をはさんで同じく約90分の質疑応答を行なう予定です。