文学博士であるテレーズ・ムルルヴァ女史は詩人・劇作家そして外交官のポール・クローデルの専門家です。
クローデルとロザリー・スチボール=リルスカと間にできた娘ルイーズとは彼女が1996年に亡くなるまで交流があり、手紙、写真、家族の書類の遺言執行人を委託されていました。
そのルイーズの協力のもとロザリーについて長期にわたり取材し、未完書簡を解読し、2011年には『その女(ひと)の名はロジィ-ポール・クローデルの情熱と受苦』(原書房)を発表しました。
二人の書簡は、2017年に ガリマール社から“Lettres à Ysé”(イゼへの手紙)として出版されましたが、『真昼に分かつ』のイゼ、あるいは『繻子の靴』のプルエーズに描かれたロザリーという謎に満ちた女性が如何にクローデルに恋の歓喜と苦悩を吹込み、その作品のインスピレーションの源になったかを伺います。