フランスの医療は、様々な改革が試みられ、病院と在宅など、ケアの境界を相互に開くことが課題となっている。フランスの医療にみいだされる、これまでの多様な境界は、医療の効率性を妨げてきた。そして、慢性疾患、高齢化、医薬品や医薬品以外のイノベーションの帰結、e-メディスンへの対応は、ケアの経過をめぐってのコーディネーションもふくめて、医療システムの一方的な政策に依存してきた。技術だけでなく広義の「ケア」のニーズは、いまや、患者、プロフェッショナルという当事者から切実と考えられている。二人のフランスの研究者の議論を中心に、日仏比較から、ケアの当事者をめぐって、具体的な現状を提示し、「ケア」のニーズが充足される条件を明らかにする。
著書:Mossé P. (2018), Une Économie Politique de l’Hôpital, contre Procuste, 2018, L’Harmattan)(『地域の医療はどう変わるか―日仏比較の視点から』原山哲・山下りえ子訳(藤原書店、2019年1月)). Grenier C. (2017), coord, Intervenir pour réduire les inégalités sociales de santé : des espaces favorables pour expérimenter, pérenniser et diffuser l’intervention – Guide IVRISS d’accompagnement méthodologique, en partenariat avec l’ARS PACA.
Intervenir pour réduire les inégalités sociales de santé: des espaces favorables pour expérimenter, pérenniser et diffuser l'intervention- Guide IVRISS d'accompagnement méthodologique (C. Grenier, 2017) |
Une Économie Politique de l'Hôpital, contre Procuste (P. Mossé, 2018, L'Harmattan) 翻訳「地域の医療はどう変わるか―日仏比較の視点から」 原山 哲・山下りえ子訳(藤原書店、2019年1月) |