画像 ©1938 Studio Canal
エミール・ゾラが構想したルゴン=マッカール叢書中の1編を映画化。突然、襲われる暴力的な殺人衝動に人知れず悩むジャック・ランチエは、鉄道機関士としてパリ−ル=アーヴル間の乗務に就いていた。ある日のこと、助役とその妻を車中に見かける。ふたりは資産家の養父を殺害したばかりで、ランチエはそのことを知りつつも、助役の妻が放つ妖しい魅力に囚われてゆく……。
ゾラは自然主義文学の大家として知られる。19世紀フランス文学の流れのなかで、写実主義の流れを汲みつつも、観察にもとづく真実を語ることを主眼におき、虚飾を排した作品を目指したのだった。
本作の監督ジャン・ルノワールの作品のいくつかは、この自然主義文学にもとづいている。ゾラの『どん底』『女優ナナ』、さらにギィ・ド・モーパッサンの原作による『ピクニック』など、ルノワール映画と自然主義文学の親和性は、きわめて高いものだった。
この両者の出会いはどのように起こったのか、その流れの根源と行方を考えてみたいと思う──。
『獣人』
1938 / France / 100 min. / noir et blanc / 日本語字幕付
監督・脚本:ジャン・ルノワール/原作:エミール・ゾラ/
撮影:クルト・クーラン/音楽:ジョゼフ・コスマ/編集:マルグリット・ルノワール
出演:ジャン・ギャバン、シモーヌ・シモン、フェルナン・ルドゥー
プログラム
18:30 開 会
18:35 ~ 20:15 DVD 上映 『獣人』
20:20 ~ 20:50 解説・講演
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