インターネット上に溢れるビッグデータを効率よく高速処理するAI(人工知能)に期待が集まっています。しかしその一方で、人間がデータ化され、ごく少数のエリートと大多数の無用者に分断される階層社会の恐れも指摘されています。未来の希望はどこにあるのでしょうか。AIの文化的背景を踏まえ、その倫理的側面について考えていきます。講師の西垣先生は日仏文化サミット(朝日新聞社主催)に参加し、またパリ日本文化会館の運営にたずさわるなど、フランスとのゆかりの深い方です。とかくアメリカ一辺倒になりがちなAI研究において、ヨーロッパ系の哲学に立脚した独自の人工知能論が期待されます。
講演内容
1.AIは何を求めてきたか
2.情報倫理とAI倫理
3.「自律性」とは何か?
4.生物は自律的に行動する
5.二つの自律性
6.生物は自己創出システム
7.二種類の予測困難性
8.トランス・ヒューマニズム
9.第四の革命は来るか?
10.近代の倫理哲学
11.応用例1:自動運転
12.応用例2:監視選別社会
13.応用例3:AI創作