人口の高齢化、長寿化への対応として、日本政府は政策の一つの方向性として、「人生100年時代」のキャッチフレーズを打ち出しました。しかし、そのためにどんな社会を構築していくのか、政策のグランドデザインの骨格と見通しはまだ見えません。そこで、高齢者政策の第一人者として世界的に著名なアンヌ=マリ・ギルマール名誉教授(パリ デカルト ソルボンヌ大学)を招聘して、日本の専門家との顔合わせによって、国際的な視野で高齢化への各国の挑戦の状況を分析しながら、今後の社会変革を議論します。11月16日に日仏会館ホールで開催されるシンポジウムは、11月16・17・18日に東京で開催されるギルマール名誉教授連続セミナー『人生100年時代の社会保障とシニア雇用』の第1日目にあたります。シンポジウム1日目は「長寿社会の年金と雇用を考える」というタイトルで、早くからエイジレス社会を提唱されている清家 篤 日本私立学校振興振興・共済事業団理事長、世界の年金制度にくわしい江口隆裕 神奈川大学教授が加わります。
ギルマール名誉教授は、高齢者雇用と年金制度、社会保障制度に関する国際比較研究で世界的に知られていますが、これまで単行本の邦訳はなく、その研究業績は一般にはほとんど紹介されてきませんでした。しかし2010年に刊行された代表作が、新データを加えた日本版独自の改訂版『社会保障制度の高齢化への挑戦-世代間の連帯契約で新たな制度を構築する』(監訳・藤森宮子、ミネルヴァ書房)が2019年2月に刊行されました。この機会に来日する同教授の長年の研究調査の成果と分析に触れられる機会として、登壇者間の討論だけでなく、多くの大学・大学院生、研究者、高齢関係業務の専門職、行政関係・労使関係を含める一般社会人が直接に接し、著者との意見交換ができる催しを目指します。
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