講師 河嶋春菜(帝京大学)、佐藤香寿実(お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所)、齋藤達也(東京文化財研究所)
司会 伊達聖伸(東京大学)

言語

日本語

主催

(公財)日仏会館

 

若手研究者を中心とする、分野横断型の相互啓発セミナーです。講師には、それぞれの専門性を踏まえた研究成果や現在の関心のありかを専門外の聴衆にもよくわかる語り口で話していただきます。ふるってご参加ください。各講師の発表に続いて質疑応答となります。

 

 

プログラム

14:00 開会 伊達聖伸

14:10 河嶋春菜「公衆保健と人権保障は共存可能か」

15:20 休憩

15:30 佐藤香寿実「ストラスブールの『承認のライシテ』とイスラーム」

16:40 休憩

16:50 齋藤達也「黒田清輝と久米桂一郎の滞仏期」

18:00 閉会

 

 

河嶋春菜

エクス=マルセイユ大学大学院博士前期課程憲法・基本権専攻修了。同博士後期課程ルイ・ファヴルー憲法訴訟研究所所属。修士(公法学)。名古屋大学国際教育交流センターを経て、現在、帝京大学法学部政治学科助教。論文として、「フランスにおける予防接種義務制度の基礎的研究」(帝京法学33号)、« La prise de décision dans la médecine au dernier stade de la vie » (E.Aubin et al., Comment maintenir la qualité de vie des personnes âgées en France et au Japon ? )、「憲法院とコンセイユ・デタ訴訟部との相互作用」(『比較法学』80号)ほか。

 

「公衆保健と人権保障は共存可能か」

公衆保健(santé publique)を目的に掲げ、個人の憲法上の権利の制限を辞さないフランスと、強制的な措置を避け各自の自主性に公衆保健施策の効果を委ねる日本。両国は、公衆保健に対し、一見対照的な法的アプローチをとっているように思われる。この対照性が示すように、公衆保健と人権保障は二者択一なのであろうか。憲法上の「公衆保健」の位置づけを比較することにより日仏のアプローチの対照性を考察することで、この疑問に取り組んでみたい。

 

 

佐藤香寿実

お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了(博士/社会科学)。現在、お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所特別研究員。フランスにおけるムスリムの社会的統合をめぐる現代的課題を専門とする。論文に「フランス・アルザス地方の『コンコルダート的ライシテ』と非公認宗教としてのイスラ―ム」(『上智ヨーロッパ研究』第8号)、「『スケールのパフォーマティヴィティ』とストラスブールの大モスク建設―アクターの言説実践に着目して―」(『人文地理』第71巻4号)等がある。

 

「ストラスブールの『承認のライシテ』とイスラーム」

近年フランスでは、ムスリム系移民第二第三世代の「統合」が喫緊の課題となるなか、ライシテ(非宗教性の原則)の問い直しが盛んである。アルザス・モーゼル地方では、19世紀末~20世紀初頭に成立したライシテを基礎づける法律群が適用されておらず、地方法のもとで公認宗教体制がとられている。特に1990年代以降のストラスブールでは、この地方法を活用してイスラーム実践を保障しようとする試みが進められてきた。本発表では、インタビュー調査で得られた関係者の語りを用いながら、ストラスブールにおけるモスク建設およびムスリム墓地建設という具体的事例を分析し、ライシテの多様性について考察する。

 

 

齋藤達也

東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、ソルボンヌ大学博士課程退学。現在、東京文化財研究所客員研究員。都立大学、明治学院大学、立教大学非常勤講師。専門はフランス近代美術史。論文に « Ernest Chesneau, critique de l’impressionnisme » (Critique(s) d’art : nouveaux corpus, nouvelles méthodes, Paris, 2019, p. 312-334)、 « Critical Reactions to the 1890 Japanese Print Exhibition in Paris » (Journal of Japonisme 2(1), 2017, p. 38-72)、« La quatrième exposition impressionniste en caricature. De nouvelles identifications d’œuvres » (Revue de l’art, (189), 2015, p. 23-30)ほか。

 

「黒田清輝と久米桂一郎の滞仏期」

「近代洋画の父」といわれる黒田清輝とその盟友久米桂一郎は、明治期にフランスに留学して画家としての修業を積んだ。ここではまず黒田と久米の滞仏期の歩みを振り返りたい。その上で、久米の残した仏文日記を通して見えてくる、2人の活動を追う。黒田については出品した展覧会についても考察し、批評的受容や展示意図を見てゆきたい。

 

 

●参加方法● 

・本講演会はZoom(ミーティング)を使用して開催します。インターネット接続のあるパソコン、タブレット、スマートフォンからご参加いただけます。

 

・講演会当日の7月18日(土)10:00頃、参加登録いただいた方に、ミーティングのURLをメールでお送りいたします。もし届かなかった場合、事務局(このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。)までお知らせください。

 

・ Zoomを使用したことがない方:ミーティングのURLをクリックすると、Zoomアプリのダウンロードが自動的に始まります。始まらない場合は画面の指示に従ってください。また、こちらのページから、事前にZoomミーティングへの参加を試すことができます。テストの際、Zoomアプリをダウンロードすることになりますので、当日はミーティングURL(当日メールでお知らせします)をクリックすればご参加いただけます。

 

・ Zoomを使用したことがある方:ミーティングのURLをクリックすると、アプリの立ち上がり許可を求められます。許可いただくと、入室できます。

 

・講演会当日は、開会30分前の13時30分からご入室いただけます。接続に不安のある方は、早めに入室して接続確認されることをお勧めいたします。

 

・名前は表示されます。入室後に変更できます。

 

●注意事項●

・質疑応答時を除き、音声はミュートにしてください。ビデオはオン・オフどちらでも構いません。

 

・講師の発表に続いて質疑応答となります。質問されたい方は、Zoomの挙手機能を使用して挙手してください。質問いただく方を司会が指名いたしますので、音声のミュートを解除して、口頭でご質問ください。

 

・本講演会は(公財)日仏会館が録画します。(公財)日仏会館以外の方の録音や録画はご遠慮ください。

 

 

日仏会館のイベント等活動は、個人会員・賛助会員の皆様のご支援で成り立っております。