技術の進歩、グローバリゼーション、資本主義の変容、人口動態の変化は、21世紀初めの労働界と社会全体の改変のプロセスに作用する重要な要因です。日本におけるこのような労働変革のプロセスは、政府が推奨した「働き方改革」によって活性化され、労働法の改正や、企業の労働体制の変革が進められました。フランスにおいても少なくとも10年前から、技術的・経済的・社会的変化に適応するため、労働法の改正についての議論が行われています。日本であれフランスであれ、これらの改変は労働条件だけでなく広くは社会契約にまで影響を与えています。こうした変化にはときに生活水準の停滞や不平等の拡大、伝統的な労働組合形態の変容、労働市場への女性の参入向上への期待を伴うため、様々な不安が生じています。また、2020年には世界をコロナ危機が襲い、働き方にも大きな変化が迫られています。本シンポジウムでは、研究者と労働関係の当事者が一堂に会し、日本とフランスの事例を比較しながら、21世紀初めの働き方の改革・変容を構成するものは何かについての考察の道筋を提示します。
プログラム
17:30〜17:45 挨拶
中島厚志(公益財団法人日仏会館理事長)
ベルナール・トマン(日仏会館・フランス国立日本研究所長)
17:45〜18:45 基調講演1
労働法と雇用ーフランスの社会モデルに罪はあるかー
ドミニク・メダ (パリ第9大学)
18:45〜20:30 ラウンドテーブル
司会 :ベルナール・トマン
水町勇一郎 (東京大学)、ニコラ・ハツフェルド (パリ西大学)、小熊英二 (慶応義塾大学)
日仏会館のイベント等活動は、個人会員・賛助会員の皆様のご支援で成り立っております。