講師:山田広昭(東京大学)、司会:重田園江(明治大学)

会場

オンライン

参加費

一般1,000円、日仏会館会員・日仏会館学生オンラインメンバーシップ無料

言語

日本語

主催

(公財)日仏会館

 

 

 

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現在、アナキズムが久々に注目を集めています。そもそもその理由を社会的背景から考えるべきではありますが、一方で、アナキズムの思想的な可能性をきちんと整理して見通しをよくすることも必要です。アナキズムは多様で、初心者にはどこから分け入ったらいいか、難しさがあるからです。山田氏は、2020年に上梓した『可能なるアナキズム-マルセル・モースと贈与のモラル』(インスクリプト刊)において、モースを起点としてアナキズムの可能性、あるいは「実現可能な」アナキズムについて検討されています。

 

資本主義、経済、市場、そして贈与と交換など、基本概念を丁寧に拾いながら、モース、サーリンズ、クラストル、レヴィ=ストロースなどの人類学的考察、中心にマルクスを挟んでカール・ポランニーの経済人類学的考察、柄谷行人の交換様式論、またグレーバー、J.C.スコットなどの新しいアナキズムを検討する山田氏の考察は、アナキズムを可能なものにするための理論的な反省に満ちています。それと同時に、アナキズム入門としての価値をも備えており、これからアナキズムを知りたいという方たちによってよき道しるべとなるものです。

 

当日は、アナキズムの歴史の簡単なふり返りと、いまなぜアナキズムが話題になり、そこでどのような側面にスポットライトが当たっているのかについてお話しいただいたあと、山田氏のアナキズム論の特徴や、いくつかの主要論点に立ち入った解説をお願いする予定です。

 

【講師プロフィール】
山田広昭(やまだ ひろあき)
東京大学大学院総合文化研究科教授。
著書に、『現代言語論』(立川健二との共著、1990年)、『三点確保─ロマン主義とナショナリズム』(2001年、以上、新曜社)、『文学批評への招待』(丹治愛との共編著、放送大学教育振興会、2018年)、訳書に、『ヴァレリー集成IV:精神の〈哲学〉』(編訳、筑摩書房、2011年)など。

 

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