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フランスでは、2013年に同性婚が合法化されました。合法化までの道のりは平坦ではなく、激しい反対運動にも遭いました。その後同性婚はフランス社会に定着しましたが、同性愛を異端視していたカトリック国で、こうした変革はどのように可能になったのでしょうか。本講演会では、まずその過程をたどります。また、同性婚合法化は、家族生活において結婚そのものの占める位置が変化したことの帰結でもあり、家族法の「脱婚姻中心化」とも言うべき現象とリンクしています。後半では、結婚に替わって家族生活の中心となった親子関係の最先端の課題について、代理出産や人工生殖を含めて紹介します。
【講師プロフィール】
齊藤笑美子(さいとう・えみこ)
パリ第10大学DEAおよび一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。一橋大学大学院法学研究科特任講師、茨城大学人文学部准教授を経て、2013年から生活の本拠をフランスに移し、研究活動を継続。ジェンダー法政策研究所(GELEPOC)フランス支部長。本講演に関連する業績として、「婚姻・家族とフランス憲法」『社会変動と人権の現代的保障』(信山社、2017)「同性カップルは結婚できない?」石埼ほか編『リアル憲法学第2版』(法律文化社、2013)、「性的指向と人権~フランスにおける同性間婚姻論議」一橋法学5巻2(2006)、編著に『性的マイノリティ凡例解説』(信山社、2011)、山本規夫との共訳にタン『同性愛嫌悪を知る事典』(明石書店、2013)