「悲劇」という言葉は、近代と古代ではその観念が大きく異なっています。ギリシア悲劇はしばしば近代の視線から鑑賞されていますが、その場合、本来のものとはかけ離れ、誤解されていることも少なくありません。本講演では、観衆の〈身体〉に働きかけ、治癒する力をもち、宗教的に〈神々と英雄たち〉を舞台に受肉化させるものであったギリシア悲劇の根源に立ち返って、その本質を再検討するとともに、これまでの読解や受容のあり方についても概観します。
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