近代社会の到来とともに成立した社会学は、常に「近代」を研究の土台に見据えてきました。社会学から人類学へという流れの中で、「近代」が相対化される一方、「ポストモダン」をめぐる議論では、現在はもはや「近代社会」ではないのではないかという問いも示されます。本シンポジウムでは、デュルケーム、ブルデューというフランス社会学の伝統を踏まえつつ、学問的な展開を考究するとともに、さらに今日の日本の状況をも視野に入れて、モダニティについてあらためて問い直します。
※新型コロナウイルス感染症の感染状況により、開催方法を変更する場合があります。最新情報は(公財)日仏会館ウェブサイトにてご確認ください。
【プログラム】
司会:白鳥義彦(神戸大学)
13:30 - 13:40
小川伸彦(奈良女子大学):趣旨説明
13:40 - 15:40
ジルダ・サルモン(国立科学研究センター・社会科学高等研究院)
「近代人および非=近代人における機械的連帯と有機的連帯:ブルデューと進化主義の危機」
15:40 - 15:50 休憩
15:50 - 16:50
川本彩花(日本学術振興会特別研究員、滋賀大学)
「趣味と階層:文化資本の日本的状況」
山田陽子(大阪大学)
「『感情資本主義』の社会学史上の意義」
16:50 - 17:00 休憩
17:00 - 18:00 コメントと全体討論
【講師プロフィール】
ジルダ・サルモン
哲学者。国立科学研究センター研究員。「反省性に関する学際研究室」所属。
研究分野:社会科学の歴史、比較研究、人類学(神話、親族、分類)、精神の理論、記号学。
主要著作:『精神の構造:レヴィ=ストロースと神話』、Presses universitaires de France, 2013。『ソブリン債:政治経済と国家』(ユリア・クリストとの共編)、Éditions de l'EHESS, 2018など。
川本彩花
社会学者。日本学術振興会特別研究員(PD)・滋賀大学。
主要論文:「芸術至上主義の社会学 : ベートーヴェンにみる芸術性と商品性の関係」『フォーラム現代社会学』9巻、2010年。「〈音楽の自律性〉の形成におけるメディアの役割 : 音楽雑誌のベートーヴェン批評を手がかりに」『ソシオロジ』56巻3号、2012年。「ハバーマス:コミュニケイション的行為」デュルケーム/デュルケーム学派研究会著、中島道男・岡崎宏樹・小川伸彦・山田陽子編『社会学の基本 デュルケームの論点』学文社、2021年など。
山田陽子
社会学者。大阪大学大学院准教授。
主要著作:『働く人のための感情資本論-パワハラ・メンタルヘルス・ライフハックの社会学』(青土社、2019年)。『「心」をめぐる知のグローバル化と自律的個人像-「心」の聖化とマネジメント』(学文社、2007年)。中島道男・岡崎宏樹・小川伸彦・山田陽子編『社会学の基本 デュルケームの論点』(学文社、2022年、編著)など。
【ご来場に際してのお願い】
次の方は来場をご遠慮ください
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