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三島由紀夫はおそらく、川端康成や谷崎潤一郎と並んで、世界中で読まれ、知られるようになった日本の最初の現代作家の一人です。しかしこの作家の自殺と公的な人物像は、長い間、彼の作品の理解と受容の障害となってきました。それでも近年、三島と彼の作品のいくつかの新たな側面が発見されつつあります。本講演では、1960年代以降の三島受容の変遷を、とくにフランスの事例とフランス語訳に焦点を当てて紹介します。また、複雑で多面的な作家であり、同時代における最も偉大な文学者の一人である三島由紀夫を新たに発見しつづけるために、いくつかの考察の手がかりを提案します。
トマ・ガルサン
2018年よりパリ・シテ大学日本研究科准教授。2023年9月1日からは日仏会館・フランス国立日本研究所長を兼務。主な研究テーマは三島由紀夫。特に三島の受容について研究し、三島への批判的な評価を改めることに努めている。翻訳家でもあり、西洋言語で初の出版となる三島のエッセイ集「Ecrits sur le théâtre」(あかとんぼ出版社)の翻訳を監修。文学とイデオロギーあるいは社会歴史的文脈との関係に関心を抱いている。阿部和重など、現代作家についての著作もある。
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