1979年の10月8日から13日まで、日仏会館はコレージュ・ド・フランスにて、フランスで初めて日本学をテーマにしたシンポジウムを開催しました。シンポジウムのタイトル「フランスから見た日本」(« Le Japon vu depuis la France »)とサブタイトル「フランスにおける日本研究」(« Les études japonaises en France ») が示すように、19世紀に日本学が誕生してからこの年まで、フランスにおける日本学のアプローチは大きく変化しました。戦後から、フランスの日本学者は次第に、「日本」をもはや不変で恒久の全体存在として捉えるべきではないと強調するようになりました。観察する側の主観性や流動的な視点を考慮した「フランスから」見た日本は、全体論的な日本に異を唱えていました。「日本研究」(études japonaises)という表現も、全体論的アプローチを含む「日本論学」(japonologie)に対するオブジェクションを示唆していたと思われます。実際、19世紀と戦前のジャポノロジーは、前近代的や古代日本の研究に偏っており、しばしば非歴史的で幻想的な日本列島のイメージを作り上げました。1980年に出版されたシンポジウムのプロシーディング(講演要旨集)の序文で主催者は、「日本研究」をとりわけ「現代の出来事」を扱う「科学的な目的」を持つ学術と定義しました。そのために、日本語を完全にマスターし、日本文明の複雑さと深みを把握できる新しい専門家集団を養成する「絶対的な必要性」を唱えました。
この最初のシンポジウムから40年以上が経ち、フランスの日本研究は、1979年に提示された目標のいくつかを確実に達成しました。現代日本は古代日本よりも広く研究されるようになり、方法論の厳密さと言語の習熟は、日本研究の必須条件となりました。とはいえ、フランスにおける日本研究が直面する課題は多いです。11月15日と16日、日仏会館で行われるシンポジウム「フランスにおける40年の日本研究。これからは?」の目的は、日仏対話的なアプローチを通して過去40年間の日本研究を振り返り、フランスの日本研究者がさらに探求すべき分野を絞り、今後のフランスにおける日本研究の目標を分析することです。より広く言えば、地域研究の特殊性についての考察という枠組みの中で、認識論的・方法論的な観点から「日本研究」を再定義することを目的とします。