松浦 晃一郎 氏(前ユネスコ事務局長) Koïchiro MATSUURA, Ex-directeur général de l’UNESCO

Lieu

Auditorium de la MFJ

日時 2010年7月6日(火)18時(17時30分開場)
場所 日仏会館ホール(定員120名、先着順)
参加費 1,000円(学生500円、会員無料)

講師 松浦 晃一郎 氏(前ユネスコ事務局長) Koïchiro MATSUURA, Ex-directeur général de l’UNESCO

 

 

世界全体でグローバル化が急速に進んでいる。その結果、諸国間のコミュニケーションが非常に活発化し、各種の交流が急速に進み人類に対し大きなプラスがもたらされている。しかしながら、新たな問題点も色々出てきている。その一つは、世界各国間で交流が急速に進む結果、各国の文化の同一化が起こって来ている事である。別な言葉で言えば、人類が大事に育ててきた文化の多様性が失われ出している。その典型的な例が言語で、世界各地で色々な言語、なかんずく、原住民の言語が多く消滅の危機に瀕している。

 

しかしながら、現存する文化の多様性を人類全体としてしっかり守り、次の世代に引き継いで行く事は、我々の世代の大きな義務であると考える。国連システムの中で文化を担当するユネスコは、そのような問題意識をもち2001年の10月にまず文化の多様性に関する世界宣言を採択し、人類共通の遺産である文化の多様性を今後しっかり守っていく必要性を世界に訴えた。また右を踏まえ、私はユネスコの事務局長をしていた10年間の間に、世界遺産条約(1972年)を初めとする文化関係の基本条約として6つの条約を、実施していく体制を作った。これらの6条約は相互に関連しており、これらを一体としてしっかり実施していくことが肝要である。

 

 

 

 

 

松浦 晃一郎(まつうら こういちろう)・1937年生まれ。59年東京大学法学部中退 外務省入省。経済局長、北米局長、外務審議官を歴任、94年駐仏大使、98年世界遺産委員会議長、99年から09年まで第8代ユネスコ事務局長。