012年9月14日(金)~16日(日) 10:00~18:30
中央大学駿河台記念館 (14日)、 日仏会館ホール(15、16日)
入場無料 2,3日目は日仏同時通訳有(デポジット1,000円、返却時に返金します。) 初日のみ事前登録不要
主催 日仏会館、中央大学
協賛 公益財団法人石橋財団、駐日スイス大使館、日本学術振興会
今年2012年はルソー生誕300周年にあたり、世界各地で記念行事が行われています。しかしこのジュネーヴ生まれの思想家の輪郭は、今なお明確ではありません。文学と哲学が交錯した一にして多様な作家、逆説にみちたダイナミックな哲学者の全貌は、未解明のままと言っていいでしょう。ルソーが「近代」を創始した天才だとするならば、それはいかなる意味において、どの程度までそう言えるのか。ポストモダンを経た現代世界において、ルソーの思想は今なおアクチュアルな意味を持ちうるか。これこそ検討に値する問いです。ルソーがひとつの「事件」であり「問題」である限り、われわれはルソーについて語り続けねばなりません。このたび私たちは、ルソーの文学・政治哲学・日本と中国への影響という三つの柱を立て、フランスとスイスから9人の専門家を招き、3日間の共同討議の場を設けます。「ルソーと近代―ルソーの回帰、ルソーへの回帰」と題して、社会と文化と人類の未来に向けたルソーのメッセージを多様な角度から検討します。ご期待ください。
J-J.ルソー生誕300周年記念国際シンポジウム
「ルソーと近代: ルソーの回帰、ルソーへの回帰」
◎9月14日(金) 会場:中央大学神田駿河台記念館670号室
10:00 開会 永見文雄(中央大学)
10:05–12:00 【セッション1】 ルソーへの三つのアプローチ
1. 三浦信孝(中央大学)「〈ジュネーヴ市民〉における〈祖国愛〉の逆説」
2. 越 森彦(白百合女子大学) 「自伝の策略―ルソーはいかにして自己像を作ったか」
3. 淵田 仁 (一橋大学博士課程)「ルソーの方法論——諸科学、推論、歴史」
13:20–15:20 【セッション2】 日本におけるルソー
4. 小林善彦(東京大学名誉教授) 「日本におけるルソーの受容」
5. 柏木隆雄(大手前大学)「ルソーと日本近代文学─『告白』のもたらしたもの」
6. 坂倉裕治(立教大学)
「日本における『エミール』の初期翻訳—山口小太郎・島崎恒五郎の抄訳(1899年)を読む」
15:40–17:50 【セッション3】 社会契約と革命
7. 飯田賢穂(東京大学博士課程〉
「『社会契約論』に見られる道徳性の条件:自分自身との対立と行為の道徳性」
8. 鳴子博子(岐阜聖徳学園大学)「フランス革命と明治維新―ルソーの「国家創設」論からの比較考察」
9. ピエール•セルナ (パリ第1大学–IHRF)
「『社会契約論』と革命歴2年の共和国、あるいは革命家ルソーの発明」 (仏語による発表 - 通訳無 - 翻訳配布)
18:00 懇親会:乾杯 福原紀彦(中央大学学長)
◎9月15日(土) 会場:日仏会館ホール (同時通訳あり、要事前申込)
10:00 開会 クリストフ・マルケ(日仏会館フランス事務所所長)
10:05–12:00 【セッション4】 孤独と共生
10. 永見文雄(中央大学)「ルソーは自己充足という古い観念の継承者か?」
11. ジャック・ベルシュトルド(パリ第4大学)「共生モデルとしてのスイスの村―『新エロイーズ』に即して」
12. 小林拓也(神田外語大学)
「愛と家族のはざまで、『植物学についての手紙』と『新エロイーズ』」
13:20–15:20 【セッション5】 中江兆民 (1847-1901)、東洋のルソー?
13. クリスチーヌ・レヴィ(ボルドー第3大学、日仏会館)「中江兆民を通しての日本におけるルソーの受容」
14. セリーヌ・ワン(パリ第7大学)「人民と社会契約―ルソー『社会契約論』の中国における受容」
15. 渡辺浩(法政大学)「兆民、ジャン・ジャックを裁く:中江兆民がルソーから学んだことと拒否したこと」
15:40–17:00 【セッション6】 いかなる市民宗教か?
16. ジスラン・ワーテルロ(ジュネーヴ大学)「市民宗教、自由にとっての保障か脅威か?」
17. 伊達聖伸(上智大学)「19世紀フランスにおける市民宗教の諸相 : コント、トクヴィル、デュルケム」
17:00–17:40 講演会
18. マルタン・リュエフ(ジュネーヴ大学)「ルソーにおける諸能力の理論」
挨拶 ウルス・ブーヘル駐日スイス大使
◎9月16日(日) 会場:日仏会館ホール (同時通訳あり、要事前申込)
10:00–12:00 【セッション7】 ルソーの共和国思想
19. 川合清隆(甲南大学)「マブリ師との比較によるルソー・革命・共和国」
20. ジャン=ファビアン・スピッツ(パリ第1大学)
「『正義なき自由は真の矛盾である』―ルソーと現代共和主義」
21. 樋口陽一(日本学士院会員)「国法理論家としてのルソー: 『社会契約論』の副題の意味するもの」
13:20–15:20 【セッション8】 祖国愛とコスモポリタニズム
22. 佐藤淳二(北海道大学)「<開かれたもの>の力:ルソーとジュネーヴの『舞台』」
23. 川出良枝(東京大学)「ルソーと「連邦」構想― パトリオティズムとコスモポリタニズムをつなぐもの?」
24. ブレーズ・バコーフェン(セルジー・ポントワーズ大学)「ルソーの政治的理論」
15:40–17:00 【セッション9】 新しいルソー解読へ
25. 増田 真(京都大学)「ルソーにおけるリズム論と夢想の詩学」
26. ヤニック・セイテ(パリ第7大学)「ルソー、分離した言表から分離可能な言表へ」
17:00 閉会の辞 三浦信孝(中央大学、日仏会館)、永見文雄(中央大学)
17:30–18:30 オペラ「村の占い師」(作曲:ルソー、アレンジ:駒井ゆり子、峯島望美)
コンサート 出演: 駒井ゆり子、 峯島望美、 梅里アーツ、 岩撫智子
18:30 懇親会