講師: 清水敏男 (学習院女子大学教授、アートディレクター)
司会: 三浦 篤 (日仏会館・東京大学教授)
1950年代彗星のように現れて消えたイヴ・クラインは、モノクローム絵画の創始者であり、抽象絵画のサロンに出品を拒否されることからアーティストとしてのキャリアをスタートした。イヴ・クラインは「非物質的絵画空間Zone picturale immaterielle」という概念をつくりだし、アートを「物質」から解放することを求め、アートの本質は「非物質」であると主張した。20世紀後半のフランス現代美術を「物質」と「非物質」という視点からイヴ・クラインを中心にダニエル・ビュレンヌ、ジャンピエール・レイノー等の作家による展覧会という形式で概観する。
清水敏男 1953年東京生まれ。東京都立大学フランス文学専攻卒業後ルーブル美術館大学(Ecole du Louvre)。で美術史、博物館学を学ぶ。東京都庭園美術館キュレーター、水戸芸術館芸術監督を経て、1997年TOSHIO SHIMIZU ART OFFICEを設立し、国際的な展覧会に携わる一方、都市空間におけるアートの実現をめざす。代表的な仕事に2000年上海ビエンナーレ、東京ミッドタウンアートワーク、ミューザ川崎アートワークなどがある。