池澤夏樹 (作家)

会場

日仏会館ホール

日本人の自然観の基礎にはアニミズムがある。ことは「自然」に「成る」ないし「生る」のであって、神が「為す」のではない。キリスト教に見るような筆頭被造物としての自覚はないし、自然の管理者という自覚も薄い。永遠の真理よりも今の目前の現象が大事。自然災害をもこの姿勢で受け止める。このような我々の思想を『日本文学史序説』や『日本文化における時間と空間』を参照しながら検証してみたい。

 

共催: 朝日新聞社

 

 

 池澤 夏樹 (いけざわ なつき)

1945年帯広市生まれ、1988年、『スティル・ライフ』で芥川賞受賞、『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、『花を運ぶ妹』で毎日出版文化賞、評論『楽しい終末』で伊藤整文学賞(評論部門)、河出書房新社の『世界文学全集』全24巻の編集で毎日出版文化賞を受賞する他多数。2007年紫綬褒章受章。