主催:〈レヴィ=ストロース 夜と音楽〉レクチュアコンサート実行委員会
共催:公益財団法人日仏会館
協賛:みすず書房
トークとピアノの工房〈レヴィ=ストロース 夜と音楽〉
● 〈語り〉
今福龍太(東京外国語大学教授・文化人類学)
小沼純一(早稲田大学教授・音楽文化論)
● 〈ピアノ〉
内藤晃(ピアニスト)
フランスの民族学者にして二○世紀の思想的巨人クロード・レヴィ=ストロース(1908-2009)。彼の生涯と思索は「音楽」と深く結びついていた。祖父はパリ音楽大学管弦楽協会の創始者。曽祖父はベルリオーズやオッフェンバックの協力者だったヴァイオリニスト。レヴィ=ストロースはそうした家族的伝統のなかに生まれ落ち、幼少時代からドビュッシー、ストラヴィンスキー、サティ、ラヴェル、ミヨーらフランス近代音楽の誕生の息吹を同時代的に受け止めた。のちに、音楽を思想的モデルとしてインディオの神話研究の領域で偉大な理論をつくりあげたレヴィ=ストロースの生涯や著作にかかわりのある音楽作品を新進ピアニスト内藤晃のピアノ演奏によって実際に聴きながら、『レヴィ=ストロース 夜と音楽』(みすず書房、2011)を上梓した今福龍太と小沼純一の対話によって彼の思想の本質浮き彫りにする、例のない形態の催しである。
テーマと曲目(予定)
レヴィ=ストロースと音楽家たち
ショパン 練習曲第作品10第3番「別れの曲」
ストラヴィンスキー 「春の祭典」「結婚」
サティ 「ジムノペディ」「パラード」
ドビュッシー 「水の反映」
ラヴェル ピアノ編曲版「ボレロ」
レヴィ=ストロースのブラジル
ダリウス・ミヨー 「ブラジルの郷愁」
エイトール・ヴィラ=ロボス 「ブラジル風バッハ」
レヴィ=ストロースの神話論理と音楽的主題
序曲と前奏曲 バッハ「パルティータ第4番」 「平均律」
アリア・フーガ・カノン バッハ「ゴルトベルク変奏曲」
奇怪な両生類:レチタチーヴォ ベートーベン『ピアノソナタ第17番:テンペスト』
半音階 ワーグナー「トリスタントイゾルデ」前奏曲
音と色 バルトーク「夜の音楽」(組曲『戸外にて』)
今福龍太 東京外国語大学総合国際学研究院教授。文化人類学者。著書に『クレオール主義』『ミニマ・グラシア』『群島-世界論』『レヴィ=ストロース 夜と音楽』『薄墨色の文法』など多数。
小沼純一 早稲田大学文学学術院教授。音楽文化論。著書に『武満徹 音・ことば・イメージ』『パリのプーランク』『サウンド・エシックス』『ジョン・ケージ著作選』など多数。
内藤晃 ピアノ、指揮、作曲、楽譜校訂など各方面で活躍する新進ピアニスト。その繊細なテクニックと斬新な作品解釈で話題となる。CDに『Primavera』『Les Saisons』など。