鍋島焼とは江戸時代佐賀の鍋島藩の高級磁器として発展してきた焼き物で、将軍諸大名への贈答用として用いられました。またその美しさから、明治初頭よりは欧州の貿易商を通して世界に渡って行きました。しかし現代日本ではご存じでない方も多いかもしれません。実際この焼き物は存続の危機にあると言えます。伝統工芸に限らず技術と文化を守る上で、伝承や後継者というのがどうしても問題となりますが、鍋島の世界からも技法を支える材料と、技術を引き出す道具の作り手が次々に消えて行っています。その中で技法や精神をどのように伝承していくのかを考えながら、その技術をご紹介したいと思います。
阪井茂治 陶歴
1949年 兵庫県生まれ
1973年 佐賀県伊万里市大川内山(元鍋島藩窯)にてロクロ成形、絵付けの修業に励む(13年間)。以後、鍋島秘窯の技法を伝承しつつ独自の研究を積む
1986年 長野県富士見町高原に鍋島陶房「沙羅ノ辻」築窯
1989年 フランス・I.E.S.A(パリ芸術高等学院)にて鍋島の講演
1993年 フランス・シャンティイ宮殿にて日仏陶芸交流事業の講師を務める
2002年 ルクセンブルグ大公国大使公邸にて展覧会を開催
2013年 戸栗美術館にて作品を展示、「楽しいやきもの講座」にて講演
2015年 ルクセンブルグ大公国・アンセンブルグ城にて展示と講演(ユネスコ後援)
個展
1980年‐95年 新宿・京王百貨店
1981年‐95年 吉祥寺ヤマハギャラリー
2001年‐現在 岡谷・笠原書店ギャラリーあすなろ
2003年‐現在 東急百貨店本店
2008年‐現在 横浜高島屋
2012年‐現在 東急・たまプラーザ店
2015年 阪急梅田本店