2013年に始まった日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉は、2017年7月、大きな焦点だった農産物や自動車の関税などを含め、全体について大枠合意に達しました。しかし、大枠合意の際、議論を続けることとした投資保護やデータの自由な移動と個人情報の保護など、引き続き詰めるべき点を議論し、日EU・EPA交渉は昨年12月のブリュッセルでの首席交渉官会合において妥結し,双方の閣僚(日本は外務大臣)及び首脳間でその旨を確認しました。投資保護と投資紛争解決手続については引き続き協議中ですが、協定案文の法的精査を終え可能な限り早期の署名・発効を目指しています。日EU・EPAは世界の国内総生産(GDP)の約28%、貿易総額の37%をカバーする、世界で最大の自由貿易協定になります。本講演会では、2017年3月に首席交渉官に任命され協定締結に尽力された鈴木庸一大使に、交渉経過を振り返っていただき、日EU・EPAによる貿易投資拡大の経済効果を展望していただきます。
講師プロフィール
鈴木庸一(すずき よういち) 1950年兵庫県生まれ。1975年に一橋大学法学部を卒業し外務省入省。フランス国立行政学院に留学。経済交渉に長け、外務省経済局長や駐仏特命全権大使(2013年〜2016年)を経て、2017年3月から日本・EU経済連携協定交渉首席交渉官を務める。レジオンドヌール勲章コマンドゥール受章。
画像 © Union européenne, 2017
Source : CE - Service audiovisuel
Photo : Etienne Ansotte