日仏文化講演シリーズ第388回
漫画と文学の関係を実作者の立場から語っていただく講演です。講師の高浜寛氏は現在最も注目を浴びている女性漫画家の一人。第24回手塚治虫文化賞をはじめ、数多くの賞を受賞しています。2020年にマルグリット・デュラスの『ラマン』の漫画化をフランスで発表し(Rue de Sèvres)、人気を博しました。その後、フランスの作家ミュリエル・バルベリの小説『京都に咲く一輪の薔薇』(永田千奈訳、早川書房、2022、原作Une rose seule, Actes Sud、2020)を漫画化し、フランス語と日本語版がほぼ同時に刊行されました(Rue de Sèvres、リイド社、2024)。原作は作者が2年間にわたり京都に住んだ「経験」をもとに執筆したものですが、高浜氏は、原作者のバルベリ氏と対話しながら創作を進めたそうです。今回の講演では、上記二つの経験に基づいて、絵を中心とする漫画と文字だけによる小説との関わり方について話していただき、漫画と文学、それぞれの特徴や交差するポイントなどを考える機会とします。
講師プロフィール
高浜 寛(たかはま・かん)
1977年生まれ。日本の女性漫画家。熊本天草市出身で、天草市在住。筑波大学芸術専門学群総合造形コース卒業。
デビュー以来、欧米でいち早く評価を受け、著作の多くがフランス語をはじめイタリア語などで多くの言語に翻訳されている。