講師:クリストフ・プロシャソン(フランス国立社会科学高等研究院EHESS院長)
登壇者につきましては下記をご覧ください。
司会:三浦信孝(日仏会館副理事長)

会場

日仏会館ホール

定員

130

参加費

無料 
懇親会 有

言語

フランス語(同時通訳あり)

主催

(公財)日仏会館、日仏会館・フランス国立日本研究所

 

*残念ながら、プロシャソン氏は都合により来日できず、本イベントに登壇いたしません。

代わりに、講演原稿をAntonella Romano氏(EHESS副院長)が代読し、その後Sébastien Lechevalier氏をはじめとするEHESS代表団の3氏による自由討論を行います。

 

 

Ecole des hautes études en sciences sociales (EHESS) は伝統ある高等研究実習院EPHEの第6部門(経済・社会科学)が独立して1975年に設立されたフランス国立社会科学研究院。クリストフ・プロシャソン氏(1959年生まれ)は、2017年11月に第 8代院長Président de l’EHESSに選出された。専門は19世紀20世紀のフランス政治文化史、第一次世界大戦、知識人の歴史、フランス左翼の歴史などで、数多くの著作があるが、邦訳された論文は次の1点のみである。「サン=シモン財団とは何か:ポスト革命期の「サン=シモン的転回」」(石崎・立花編『21世紀の知識人』藤原書店、2009年)。講演は、1977年から1985年までEHESS の院長をとつとめた歴史家のフランソワ・フュレの政治思想に関するもので、講師には浩瀚なフュレの評伝 Les chemins de la mélancolie. Francois Furet (Stock, 2013)がある。


フランソワ・フュレ(1927-1997)は、1965年刊のドゥニ・リシェとの共著『フランス革命』で、1793年のジャコバン独裁を革命の「逸脱(dérapage)」として否定し、1970年代にアルベール・ソブールらソルボンヌの「ジャコバン=マルクス主義」正統派との論争を通し、修正主義史学の代表と目されるにいたる。1977年にEHESSの院長に選出されると、のちのレイモン・アロン政治研究所に発展する研究グループを組織。1982年にピエール・ロザンヴァロンとともにサン=シモン財団を設立し、リベラル派知識人の横断的討論を活発にする。


邦訳のあるフュレの著作を三点のみあげるなら、トクヴィルの『旧制度と革命』を読み込み「フランス革命は終わった」と宣言する『フランス革命を考える』(1978年)、モナ・オズーフとの共編による革命史研究の集大成『批判的フランス革命事典』(1988年)、および冷戦終結後にコミュニズムを批判的に総括した『ある幻想の過去、20世紀の全体主義』(1995年)がある。
共産主義という「幻想の過去」を批判したメランコリーの思想家フュレに、ポスト革命期の民主主義という「ユートピアの未来」への展望があったのか、ぜひ傾聴したい講演である。

 

 

 

 

 

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