Part1は、上智大学四谷キャンパス6号館101教室にて開催されます。
アンドレ・マルロー(1901-1976)は植民地探検、スペイン内戦への参加、フランス占領下でのレジスタンス活動、戦後のゴーリストの文化大臣としてのキャリアと、フランス現代史の前線に身を置いた人物です。その一方で小説から映画制作、芸術論に至るまで、ジャンルを超えた幅広い創作活動を行いました。しかし、20世紀の一つの象徴ともいえるマルローの著作と活動は、その歴史的意義を包括的に討議する継続的な場を形成しないまま、今日に至っています。本シンポジウムはこの欠落を埋めるべく、最新資料なども参照しつつ、この作家・知識人・文化人の全容を探るものです。日本文化にも造詣が深かった彼の幅広い活動が見据えていたヴィジョンには、学術的にも今日の「世界美術」や「世界文学」と呼ばれる立場と通ずる点もあり、再考に値する現代的意義を十二分に有しています。
*12月8日(日)開催のPart2についてはこちら
第1部 ヒューマニズム 10:10 ~ 11:40 司会 畑 亜弥子(熊本大学)
石川典子(東京大学大学院、日本学術振興会特別研究員DC)
アンドレ・マルローの「悲劇的ヒューマニズム」
上江洲律子(沖縄国際大学)
マルロー『人間の条件』における「身体性」 ―女性像をめぐって―
永井敦子(上智大学)
アンドレ・マルローと小松清
≫ディスカッション
第2部 戦後 13:10 ~ 14:30 司会 伊藤 直(松山大学)
畑亜弥子(熊本大学)
都市表象とモダニズム
ジャンイヴ・ゲラン(パリ第3 大学)
ゴーリストの大臣:1945 年から1948 年の戦後フランスにおいて
≫ディスカッション
第3 部 アジアの誘惑 14:45 ~ 16:05 司会 吉澤英樹(南山大学)
井上俊博(京都産業大学)
マルロー『王道』におけるアジアの近代化
藤原貞朗(茨城大学)
バンテアイスレイ事件から『想像の美術館』へ:アジア考古学史のなかのアンドレ・マルロー
≫ディスカッション
PART1 まとめと討議 16:20 ~ 17:00
懇親会 6 号館17 階 ファカルティクラブ 17:20 ~ 19:00
日仏会館のイベント等活動は、個人会員・賛助会員の皆様のご支援で成り立っております。