アンドレ・マルロー(1901-1976)は植民地探検、スペイン内戦への参加、フランス占領下でのレジスタンス活動、戦後のゴーリストの文化大臣としてのキャリアと、フランス現代史の前線に身を置いた人物です。その一方で小説から映画制作、芸術論に至るまで、ジャンルを超えた幅広い創作活動を行いました。しかし、20世紀の一つの象徴ともいえるマルローの著作と活動は、その歴史的意義を包括的に討議する継続的な場を形成しないまま、今日に至っています。本シンポジウムはこの欠落を埋めるべく、最新資料なども参照しつつ、この作家・知識人・文化人の全容を探るものです。日本文化にも造詣が深かった彼の幅広い活動が見据えていたヴィジョンには、学術的にも今日の「世界美術」や「世界文学」と呼ばれる立場と通ずる点もあり、再考に値する現代的意義を十二分に有しています。
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10:40~11:45
第1部 文学史とマルロー
司会 永井敦子(上智大学)
吉澤英樹(南山大学)
アンドレ・マルローと『文学の新時代』
杉浦順子(広島修道大学)
1930年代のマルローとセリーヌ — 文学と政治のはざまで
ディスカッション
13:00~14:45
第2部 「美術をめぐる言説」
司会 フランソワーズ・ニコル(ナント大学)
木水千里(成城大学ほか)
マルローと抽象芸術
荒原邦博(東京外国語大学)
プルーストからマルローへ:イメージと時間
稲賀繁美(国際日本文化研究センター・総合研究大学院大学)
アンドレ・マルローと世界美術史構想
ディスカッション
15 :00~16 :20
第3部 「映画と映画論」
司会 千葉文夫(早稲田大学)
吉村和明(上智大学)
アンドレ・マルローと映画 – 『希望/テルエルの山々』をめぐって
ジャン=ルイ・ジャンネル(ソルボンヌ大学)
可視化されなかったアンドレ・マルロー『人間の条件』−「非翻案」理論に向けて
ディスカッション
16 :30~17 :00
PART2 まとめと討議
17 :20~18 :20
懇話会 ホール・ホワイエ
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